ダンスの動きとピラティス
つい20年くらい前までは、ピラティスは主にダンサーに行われていた。
2000年にアメリカでピラティスインストラクターになる養成を受けた時、受講者はほぼダンサーかもとダンサーで、私のような非ダンサーは2~3人だけであった。
その後今日のように発展して一般の人や他のスポーツ選手がピラティスを行うようになり、指導者側もいろいろなバックグラウンドを持つ人たちが提供するようになっている。
その流れがありながらもピラティスはダンサーに大きな支持を得ていることを今も強く感じる。
ピラティスのエクサイズにはダンサーの動きをサポートするところが随所にある。
ダンサーたちがピラティスをしに来て、ダンスの先生に言われたという例はこんな感じだ。
”もっと上に引上げて” ”重くなく軽やかに”
”股関節から開いてなめらかに” ”背中をしなかやかに”
以上は思い出す限りだけれど、ダンスではイメージで動きを表すことが多いのだと思った。
そのままだと私にはわかりにくい。そこでそのダンサーが教師から何を要求されているかその体はどんなことが不足しているのかを動きのサイエンスに置き換えることをしている。
詳しいことは本人に質問を重ねることになるが
例えば”上に引上げて”は「腹筋を十分に使い体幹を安定させて脊柱を長くする」という置き換えになったりする。
そうするとどこを強くして、どんなエクササイズをすると効果的なのかが明らかになる。
ダンス上のイメージの言葉は必要だけれども、ピラティスを効果的にダンスに生かすためには具体的な検証が鍵だと思う。
そのおかげなのか、10代の若いダンサー達だと数週間で踊りに変化がある、と報告してくれる。
ダンスでは可動域の大きな動きが多い。そこが美しさを感じると同時にからだのトレーニングとケアが重要になる。
1960年代のNYではケガをしたダンサーがJ・ピラティス氏を訪れて回復していったとのことである。
今はケガをする前に予防を可能にするためにピラティスをする時代になっていると思う。